今年、コロナ禍が始まってから3度目のGWを迎えた日本。苦境が続く宿泊業の中で、全国の温泉旅館は感染対策を施しながら、新たな「おもてなし」を模索している。その最前線に立ち続けているのが、各地の“女将”たちだ。

 長年温泉旅館を取材し、『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)などの著書でも知られる山崎まゆみ氏が、そんな女将たちの“とっておきの仕事術”を紹介する。

◆ ◆ ◆

第一条 お客様への謝罪は40分話して見極める

 温泉旅館はお客の滞在時間も長く、寝食も提供する特別な場所である。そこで日々心をこめた“おもてなし”を実践する女将たち。お客からの理不尽なクレームを受けながらも、お客のために奔走する女将は、いわばサービスの練達者だ。

 本連載では、そんな女将たちの“仕事術”を覗きつつ、私たちの日常生活にも活用できそうな“技”をご紹介していく。

川端康成が『雪国』を執筆した温泉旅館

 連載第1回にご登場いただくのは、新潟県越後湯沢温泉「雪国の宿 高半」の女将、高橋はるみさん。新潟女将の会の会長を3期務め、女将歴は30年を超える。川端康成が小説『雪国』を執筆した「かすみの間」がいまも残る高半は、映画『雪国』の撮影で主演の岸恵子や池部良、八千草薫らも滞在した。はるみ女将は、池部良から赤と黒のタータンチェックのコートを貰った逸話も持つ。地元の塩沢紬を上品に着こなす、たおやかな姿が印象的な女将だが、これまで数多の修羅場も踏んできた。個性ある女将を束ねる人望や人情味溢れる人柄は、その圧倒的な経験値がもたらすものだろう。

 かつて温泉旅館の女将は、「お客様は神様です」を地で行っていた。では、その女将の辛抱の限界点とは、一体どこだろうか――。

「板長を呼べ、謝らせろ」と激怒する男性

「部屋付きの仲居が、お客様にマグロの切り身を夕食でお出ししたら、『なんでこんなものをお客に出すんだ!』とお叱りを受け、真っ青になって私の元にやって来たことがあります」

 女将がかけつけると、部屋には40歳前後の夫婦と小さな子供2人の4人家族がいた。激怒していたのはその父親だった。

「よくよくお話を聞きますと、『マグロの柵の端っこはお客に出すべきではない』とおっしゃるんです。確かにその切り身は端っこではありましたが、決して小さな切り身ではなく、美味しく食べられるところとして板長が出したものです。そう説明しても、『板長を呼べ、謝らせろ』とお怒りは収まりません。でも、私としては謝る理由がないのです。『俺は鮮魚関係の仕事をしている。納得がいかない』とお客様の言い分はエスカレートするばかりでしたので、『申し訳ありませんが、お泊めできません』と、そのご家族には帰って頂きました。家長としての面子でしょうか、奥様やお子さんたちの手前、引くに引けなかったんでしょうが……」

理不尽なクレーム、女将はどう対処する?

 女将と言えば、お客へのクレームに平身低頭で謝り続けるイメージがある。はるみ女将のように、毅然とした態度を見せるのは珍しい。

 その判断基準はなんだろう?

「時間です。私の経験から40分程話して見極めます。怒りを収めてくださるお客様は、そもそも40分までかからずに解決の兆しが見えてくるものなのです。

 それが30分だと短くて、1時間を超えると、かえって終わらなくなるんです。もちろん謝る時はしっかり謝りますが、あまりにも違うだろうという時は、『お引き取り下さい』とお帰り頂きます。というのも理不尽なクレームによって、従業員が自信をなくしてしまうんです。スタッフの士気を保つのも、女将としての大切な仕事ですから」

 そしてこの40分で、もうひとつ見極める要素があるのだそう。

「料金を踏み倒したい」というお客様には……

「私はお客様に、必ず『どうしたらよろしいですか?』とお尋ねしますが、何も言わない方が多いです。その場合はおおむね『支払いたくない』というお客様の本心が見え隠れします。料金を踏み倒したいという目的でクレームをつけるお客様には、どんなに話しても無駄ですから。その見極めのための40分です。

 例えば、芸者を呼んで遊んでおいて、芸者が帰ってから『あんなのにお金は払わない』と言い出すお客様なんて、最たるものです」

 お客さんは大切であるが、神様ばかりではないということだ。

撮影=山崎まゆみ

INFORMATION

雪国の宿 高半

新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢923
TEL:025-784-3333
単純硫黄温泉、アルカリpH9.6
スタッフ数20人 部屋数33室

 

(山崎 まゆみ/オール讀物 2021年8月号)

「雪国の宿 高半」部屋と窓からの景色


(出典 news.nicovideo.jp)

一定数だけどこの手の面倒な人いますね。まったく何を考えているのかが謎。あまり相手にしたくないですね。女将さんの対応も素晴らしいと思いました。

<このニュースへのネットの反応>

「このあらいを作ったのは誰だぁ!」





海原雄山がウォーミングアップを始めました


シェフを呼べ! スタッフぅー!!!


まぁいるよな。クレームつければ安くなると思ってるやつとか、単なる勘違いだったのそう認めずにだらだらキレる真似するやつ…。


>家長としての面子でしょうか、奥様やお子さんたちの手前、引くに引けなかったんでしょうが… 旅館を出て面子丸つぶれで嫁に怒られてる旦那の姿が見える気がする。


理不尽な文句言って追い出されてる時点で「かっこ悪い」がな。


こう言うヤツ(上のやつを呼べ的な)ってどこにでも湧くのね。そしてどこでもこうなんだろうけど逆に疲れないのかねー


「この記事を書いたのは誰だ! 腕の善し悪し以前の問題だ。こいつには記事を書く資格がない。出てけ!」


クレームを聞き取れば「何が」「どう」悪くて「どのよう」に改善してほしいかって出てくるはずやからな。そういう要求がなかったり、対応を提示させるなんてヤクザの手口は単なる「いちゃもん」でしかない。女将の対応はちゃんとしとると思うわ。後はそのヤクザもんがSNSを使って逆恨みしてくるのが面倒なくらいかのぅ。


食材の端っこってけっこう美味いことが多いんだがなぁ.フランスではバゲットの端っこなんて誰が取るかでもめることもあるらしいし.


ところで、海原雄山のアレは料亭側の事情で100%のサービスが提供できんかった事で起きた事やなかったっけ?当てはめるにはちょっと違うような気もするなぁ。


女将さんは確りしていて素晴らしい、何故なら、何でもかんでも「はいはい」と頭を下げないからだ。毅然とした態度で、ちゃんと理由を説明している。


もうお店も客を選んで良い。害虫の意見とか聞いてたら商売できるわけ無いだろ


黒人の板長「知れねぇ」


お客さんはただの消費者。神様なんて幻想はいい加減捨てるこった


海原雄山の吸い物と煮魚の件は、料亭の花板が居なくて代理の板前の腕が悪かったのが原因。しかも料亭にとって大原は上客で、彼が招いた賓客が雄山だった。作り直しをどこまで求めるかは難しいところだが、料亭側の債務不履行と考えれば雄山にも一定の理はある。この旅館のまぐろの提供部位については見解の相違で、旅館が問題なしと公に胸張って言えて、実際そうならこの解決方法で良い。


これを見た子供二人はそれが普通だと思うんだろうな。モンスター一家の出来上がりだ。


晩飯時に宿を追い出され途方に暮れる家族  母「意地を通すのは、不便なものよな」 父「だが、それがいい!!」


商売なんて自分と相手の契約なんだからどちらが一方的に上か下、なんてことは基本無いのよね


大変悪質な海原雄山ごっこ


>すみのん お前(父)がそれ言うたらあかんやろw


お客様申し訳ございません こちらお詫びの印というわけではありませんがトラフグのお作りです。いえいえお代は要りませんどうぞお召し上がってください。 こちらの肝を醤油で溶いてお召し上がりになりますとそれはそれは絶品でございます


全国温泉旅館協会のブラックに載って死ぬまで温泉禁止。


30分なら短い方(まともな部類)なのか…(戦慄)


いい歳こいて見境なく怒鳴り散らかすようなのは場末の健康ランドにでも泊まってりゃええじゃんよ。なんでそんなんが格式のあるような旅館に行こう思ったんだか